空き家相談に対応できる人材育成・体制構築
全国的に問題になっており、今後ますます増えていくと言われている空き家問題に関し、その対策を加速するため、国土交通省が今年度新たに創設した支援事業が「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」です。
この支援事業は、空き家に関する多様な相談に対応できる人材育成、多様な専門家等との連携による相談体制の構築、地方公共団体と専門家等が連携して共通課題の解決を行うモデル的な取り組みについて支援を行い、その成果の全国への展開を図るものです。
支援事業の内容
支援事業の内容については、大きく分けて次の2つに分けられます。1つ目は「人材育成と相談体制の整備(個別課題の解決)」で、2つ目は「モデル的取組への支援(共通課題の解決)」です。
人材育成と相談体制の整備(個別課題の解決)
空き家に関する多様な相談にワンストップで対応できる人材の育成、地方における法務、不動産、建築等の専門家等と連携した相談体制を構築する取組を支援するものです。
弁護士や司法書士、建築士、宅建士などの専門家とネットワークを構築し、持ち込まれた個々の相談について、必要な専門家につなぐことができるよう、幅広い知識を持った人材の育成が必要になります。
モデル的取組への支援(共通課題の解決)
空き家の発生抑制、除去、利活用等における高度なノウハウを要する事例について、具体的なケーススタディとして蓄積する取組と、全国の多様な取組事例について情報共有を行う取組を支援するものです。
例えば、発生抑制であれば、「相続が発生したら相続登記を徹底する」や「成年後見制度、民事信託の利用」等、除去であれば、「財産管理制度の活用」や「所有者を効率的に特定する取組」等、利活用であれば、「地域において空き家を活用する取組」や「空き家を活用する際の建築基準法等の対応についての整理」など、高度なノウハウを共有する仕組み作りになります。
事業要件・主体・期間等
事業要件
・地方公共団体と専門家等が連携して実施すること
・本事業の成果を広く公開すること
事業主体
・市区町村、民間事業者等
事業期間
・平成30年度~平成32年度
上記のような事業内容となっており、今年度の本事業全体の予算額は3億円となっているようです。
採択事業の例
平成30年7月に、モデル的な取組として採択された58件に事業が発表されました。
人材育成と相談体制の整備部門
・地域の空き家対策を総合的にコーディネートできる人材の育成、連携体制の構築を行い、ニーズ調査やケーススタディを通じてマニュアルや利活用モデルケース等を作成する。
・空き家相談案内を解決する人材の確保、相談案件ごとにプロジェクトチームを専門家横断で組織し、解決につなげる。
共通課題の解決部門
・不良な空き家約1000件の利用可能性調査を行い、対象家屋10件を選定し、民間図書館化する。この民間図書館化に関してマニュアルを作成し、公表する。
・都市と地域における人材の流動化と二地域居住の推進を図るため、観光協会が取り組んできた「ワーキングツーリズム」と「マルチワーカー」を他の離島地域に広げる。
私が今構築しようとしている事業も、上記の事業内容に近いものがありますので、私も空き家対策を念頭に置いて活動していきたいと思います。