住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業
全国的に空き家が問題となっておりますが、それとは反対に、低所得の高齢者、障害者、子育て世帯など、住居を確保できずに困っている人たちもおります。
これには、高齢者については急死や孤独死のリスク、子育て世帯は子供の騒音などによるトラブル等を懸念して、入居を断られるケースが多いという背景があります。
このような方々が安心して入居できる賃貸住宅を供給すべく、「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」が進められております。
この事業は、高齢者、障害者、子育て世帯の居住の安定確保を図るため、居住支援協議会等との連携や適切な管理の下、入居ニーズや住宅所有者の意向を踏まえた上で、空き家等を活用して一定の質が確保された低廉な家賃の賃貸住宅の供給が目的で、空き家等の改修工事に対して補助を行う事業になります。
補助の要件
補助対象となる物件は、次の全ての要件を満たすことが必要です。
住宅要件
- 面積:住戸の床面積は原則として25㎡以上
- 住宅設備:次の住宅設備を有すること(台所、水洗トイレ、収納設備、洗面設備、浴室)
- 耐震性:現行の耐震基準に適合していること
- バリアフリー性:一定のバリアフリー化がさなれていること(2か所以上の手すり設置、屋内の段差解消、車いすで通行可能な廊下幅の確保、のいずれかに対応)
入居対象者
- 一定の所得以下の「高齢者世帯」「障害者世帯」「子育て世帯」
- 現に住宅に困窮していること
- 従前居住地が持ち家でない世帯であること
上限月額家賃
84,700円に市区町村ごとの立地係数を乗じた額
管理期間
事業完了後10年間以上
住宅情報の登録
居住支援協議会に対し対象住戸に係る情報を登録すること
対象地域
居住支援協議会が対象住宅の登録や情報提供等を行い地域
補助対象工事
バリアフリー改修工事
- 手すりを設置する工事
- 段差を解消する工事
- 浴槽のまたぎ高さを低いものに取り替える工事
- 便器を便座式のものに取り替える工事
耐震改修工事
昭和56年5月31日以前に着工された建物について、現行の耐震基準に適合させる改修工事
居住支援協議会が認める改修工事
- 間取りの変更に係る工事
- 水回りの設備や収納設備の設置、改修工事
- 遮音性・防音性の向上に係る工事
- 断熱性・気密性の向上に係る工事
- 防犯性の向上に係る工事
- 照明や給湯器等の高効率化に係る工事 等
他用途からの用途変更するための改修工事
事務所や自宅・店舗などを改修
- 間取りの変更に係る工事
- 水回り設備や収納設備の設置、改修工事
- 建築基準法に適合させる工事
- 消防法に適合させる工事
子育て支援施設の整備
対象住戸の整備に合わせて子育て支援施設を整備する場合
キッズルームなどの子育て支援施設を整備するために必要な改修工事
補助率及び補助限度額
【補助率】補助対象費用の3分の1
【補助限度額】
(住戸)
・賃貸住宅を改修する場合:50万円×対象住戸数
・事務所や自宅などを賃貸住宅に用途変更する場合:100万円×対象住戸数
(子育て支援施設)
・100万円×施設数を限度額とし、住戸部分に係る補助額を超えない額
この制度は「住宅セーフティネット制度」として、高齢者、障害者、子育て世帯等の住居確保を支援する制度になっております。
国と地方公共団体等による支援により、改修費補助、家賃低廉化補助、家賃債務保証料補助、改修費融資等もあり、空き家を解消したい所有者や事業者、住宅確保要配慮者へも住居を紹介したいと考えている不動産会社等にもメリットが大きい制度になっております。