『家賃返済特約付きフラット35』② 申込みの条件、フローについて

「家賃返済特約付きフラット35」の申込条件

家賃返済特約付きフラット35を利用すると、将来、フラット35の返済が困難になった場合、返済方法変更の特例により返済期間を延長して、毎月の返済額を減額した上で、一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が住宅を借り上げて転貸し、その家賃で返済を継続することができるようになります。

この家賃返済特約を申し込むにあたっては、次のような条件があります。

JTIの「移住・住みかえ支援適合住宅証明書」が付与された住宅であること。

長期優良住宅等の基準を満たしている必要があります。完成後の住宅が基準を満たしていない場合は、規定により、覚書締結後であっても自動的に解約され、普通のフラット35になります。

購入物件が、フラット35の利用条件を満たしていること。

住宅金融支援機構の定めた技術基準を満たした住宅であること。そもそも、フラット35が利用できなければ、特約を設定することはできません。

申込フロー

この制度の申込みは、次のような流れになります。

ハウジングライフプランナーによるカウンセリング

JTI認定の有資格者により、マイホーム借上制度と本特約についての説明を受ける。

金融機関にフラット35の申請

フラット35申込時に「フラット35特約設定申込書」を添付して申請。

融資審査後、仮承認が出たら「特約設定予定者通知書」がJTIに届く。

JTIから「覚書」を発行

申込金融機関へ、JTIから覚書3通発送。

金銭消費貸借契約を締結

フラット35の金銭消費貸借契約締結と併せて、「覚書」を締結。同時に、覚書に関する制度・リスク説明書も確認。

覚書締結通知書をJTIに提出

覚書とリスク説明書をJTIに提出して、申込完了。

家賃返済特約の利用条件

特約を利用して、返済期間を延長し、毎月の返済額を減額するには、以下の3つの項目に当てはまることが必要です。

1、不況による倒産などの勤務先等の事情により返済が困難になっている

2、次のいずれかに該当する。

・年収が年間返済額の4倍以下

・月収が世帯人員×64000円以下

・住宅ローンの返済負担率(年間総返済額の年収に対する割合)が、年収300万円未満は30%、300万円〜400万円は35%、400万円〜700万円は40%、700万円以上は45%を超える方で、前々年と前年の年収を比べた減少割合が20%以上の場合

3、返済方法の変更により今後の返済が継続できる

なお、返済方法の変更には、次の3タイプがあります。

Aタイプ:機関延長による返済額の減額

・最長15年、支払い期間を延ばせる。更に、現に失業中、又は収入が20%以上減少した方は、これに加え、毎月の支払額のうち利息のみの支払いにすることができる期間を、最長3年間設定できる。

Bタイプ:一定期間、返済額を減額

・子供の進学や入院など、一定期間支出の増加が見込まれる場合、一時的に毎月の返済額を減らすことができる。

Cタイプ:ボーナス払いの変更

・ボーナス返済を取りやめることも可能。Aタイプと組み合わせて、ボーナス返済を無くし、返済期間を延長することも可能。

上記のように返済方法を変更することによって、毎月の返済額を減らすことができる反面、返済期間延長等により総返済額は増えるというリスクもあります。

また、JTIが借り上げて保証する最低保証賃料が、上記で変更した毎月の返済額より大きいことも条件となっております。

返済困難時の特約適用までのフロー

返済困難に陥ってしまった場合は、次のような流れで特約が適用されます。

  1. 返済困難時に、利用者が借入をした金融期間に申請
  2. 住宅金融支援機構がJTIに賃料査定申請
  3. マイホーム借上制度のカウンセリング実施
  4. JTIから提出された賃料査定書を基に住宅金融支援機構で審査。適用可能であれば制度利用申込。
  5. 適合証明書発行会社よりメンテナンス履歴提出
  6. 借入をした金融機関で、変更契約を締結
  7. 入居者募集(利用者退去後)
  8. 借上賃料に譲渡担保設定(賃料はJTIから金融機関へ直接支払いとなります)

 

ただし、1人目が入居するまでは家賃支払いは発生しないので、1人目が決まるまでの間は返済を継続する必要があります。そのため、利用するにあたっては、実際に返済が厳しくなってから申込をしたのでは手遅れになる可能性もあるので、早めに検討することが必要です。