【2018年度 第1回】住宅ローン利用者の実態調査
住宅金融支援機構から発表されている、2018年度 第1回の民間住宅ローン利用者の実態調査の結果をお知らせします。
(2018年4月~10月までに民間住宅ローンの借り入れをされた方に対する調査)
この調査は、インターネット調査会社のモニターを利用して、住宅ローンの金利タイプや住宅ローン選びに関するアンケート調査を行い、その結果をまとめたもので、年2回実施されているものです。
この調査結果から、最新の住宅ローン利用者のトレンドが見えてきますので、情報共有したいと思います。
金利タイプ別利用状況
住宅ローンの金利タイプ別利用状況は以下のようになっております。
「変動型」の利用割合が6割近く
「固定期間選択型が減少
「全期間固定型」が増加
・「変動型」 57.0%(前回調査 56.5%)
・「固定期間選択型」 25.3%(前回調査 30.1%)
・「全期間固定型」 17.7%(前回調査 13.3%)
住宅ローン金利タイプでは、前回調査から引き続き、「変動型」が6割近くと一番多くなっております。全体的にみると、前回調査と比べて、それほど大きな違いはありません。
今後1年間の住宅ローン金利見通し
住宅ローンの利用者が、今後1年間の住宅ローン金利がどのように変化すると考えているか、その見通しについて、全ての金利タイプを含めた全体の結果は、次のようになっております。
・金利タイプ全体では、「ほとんど変わらない」が減少、「現状よりも上昇する」が増加
・金利タイプ別【全期間固定型】では、「現状よりも上昇する」が5割超
・「ほとんど変わらない」 49.2%(前回調査 59.0%)
・「現状よりも上昇する」 41.7%(前回調査 29.1%)
顕著な数字として、「現状よりも上昇する」が大幅に増えていることが挙げられます。
みなさん、現在の超低金利から、今後は金利が上昇していくと考えているようですね。
利用した住宅ローンを選んだ理由
住宅ローン利用者が、自分の住宅ローンの金利タイプ等を選んだ理由については、次のような結果になっております。
なお、選んだ理由については複数回答可になっております。
・フラット35以外では「金利が低い」が最多
・フラット35では「返済額を確定しておきたかった」が最多
・フラット35以外の利用者 「金利が低い」 76.2% 「営業マン等の勧め」 20%
・フラット35の利用者 「返済額を確定しておきたかった」 60.8% 「金利が低い」 44.6%
住宅ローン選びについては、これまでと変わらず「金利が低いこと」が一番の決め手になっているようです。
フラット35を選んだ方は、「返済額を確定しておきたかった」という理由が最多となっております。
金利上昇に伴う返済額増加への対応
この調査では、金利上昇に伴う返済額増加への対応に関するアンケート結果もありました。
・返済額圧縮、あるいは金利負担軽減のため一部繰上返済をする 29.8%(前回調査 32.0%)
・金利負担が大きくなれば、全額完済する 11.5%(前回調査 8.5%)
・返済目処や資金余力があるので返済継続 25.3%(前回調査 26.4%)
・検討がつかない 21.2%(前回調査 19.9%)
・借換する 11.2%(前回調査 12.1%)
資金の余力があって全額完済できる方や返済を継続、繰上返済することができる方は問題ありませんが、「検討がつかない」方が21.2%もいることは驚きです。
超低金利が続いておりますが、これ以上の金利低下は見込めず、これからは金利が上がっていくことが予想されるなかで、「検討がつかない」まま「変動型」で借り入れしている方は、一度「変動型」のリスク等について確認しておくことをお勧めします。
(住宅ローンのリスク等については、こちらの記事もご覧下さい。)
また、「借換する」場合ですが、現在の低金利の状態から金利が大幅に上昇した場合、借換をしても、当然毎月の返済額は増えてしまうので、今までのように返済が継続できるか疑問があります。
これから住宅ローンを選ぶ方は、上記の調査結果も参考にしながら、ご自分に最適な住宅ローンを選ぶようにしてくださいね。